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ないない無縁社会 〜一人だけど独りじゃない〜
本気で足下の畑を耕したか

大谷 昭宏

夏・納涼

 我々の若いころは、「連帯を求めて孤立を恐れず」とよく言ったものです。学生運動の真っただ中でしたからね。対立を恐れず、誰とでも意見をぶつけ合いました。今の若い人たちは、対立を恐れているのか、人と関わろうとしませんね。「無縁願望」とでもいえばいいんでしょうか。「連帯は求めない。だが孤立は恐れる」といった雰囲気です。


 「ひきこもり」に代表されるように、人や社会との関わりを持ちたくないという人が増えてきたのはなぜか。さまざまな意見があり一概には言えないのですが、一説に、あまりに受動的な今の教育に問題があるとの指摘があります。

 いい子にして、「はい」と言っていれば済むから、自分で考え判断する力を身につけないまま大人になるんですね。もちろん、社会に出てそれでは通らない。自分の意見は求められるし、ダメだと叱咤もされます。それでびっくりして萎縮して、ここは自分の居場所ではないと安住の地を探し求める。その結果、ひきこもってしまうわけです。

 しかし、これは困ったことです。嫌であろうが何であろうが、仕事なんてものは縁で成り立っているのですから。


 我々の仕事だと、人とのつながりがなければ記事なんて書けないんです。専門知識を要する記事を書く場合、各分野の専門家と、いつでも話を聞ける仲になっておくことは必要不可欠です。その分野の最新情報を知るためです。それをインターネットなどにたよると、誤報の原因にもなるんです。

 事件の記事で刑事たちに話を聞く場合なら、締め切りの都合で夜中に自宅へ電話しなくちゃならないときもある。そんな時、本人はもちろんのこと、奥さんとも顔なじみになっておけば、「大谷さんなら仕方ない」と、電話に出ていただける確率が上がります。

 だから日ごろから、さまざまな人と飲みに行くし、バカもするわけです。もちろんそういう関係を築こうとすれば、いさかいも起こるし、余計なお金を使うことだってあります。しかし、自ら積極的に人との縁を作っていけば、「この人に出会うために、この会社に入ったんだ」と思える人がいずれ必ず出てきます。


 二言目には、「期待はずれでした」とか言って、すぐにやめようとする新入社員が新聞社にも多いんです。でもそれだと、何かを探してるだけの人生になりますよ。今一度、自分の足下の畑を本気で耕してみたのかと考えてみるべきです。本当の出会いは、降ってきやしないんですから。(談)

(御堂さん 2010年8月号より)



御堂さん/月刊誌御堂さん 仏教・浄土真宗
 http://www.midosan.jp/
無縁社会(Wikipedia)
 http://ja.wikipedia.org/wiki/無縁社会
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(Wikipedia)
 http://ja.wikipedia.org/wiki/ソーシャル・ネットワーキング・サービス


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