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黒田清JCJ新人賞 2008
黒田清JCJ新人賞 2008年トロフィー 黒田清JCJ新人賞
2008年トロフィー(伊達伸明氏作)
あの戦争から遠く離れて  50回目となる今年は、個人初のトリプル受賞の快挙で沸いた。8月2日、東京・内幸町の日本プレスセンターで、日本ジャーナリスト会議(JCJ)の「JCJ賞」贈賞式が行われた。「JCJ賞」は、この1年間の優れたジャーナリズム活動・作品に対して贈られる賞で、2002年からは、亡き黒田清さんを偲んで「黒田清JCJ新人賞」が設けられている。

 7回目となる今年の新人賞は『あの戦争から遠く離れて/私につながる歴史をたどる旅』(情報センター出版局)の著者、城戸久枝さん(32)が受賞した。

 この作品で城戸さんは、中国残留孤児である父の半生をていねいに追い、中国の人々との関わりや、日中の戦後史を克明に描いている。この本を書くため、21歳のときに中国留学を決意し、約10年もの歳月を取材活動に費やした。

 また、この作品はJCJ賞に応募後、大宅壮一ノンフィクション賞にも応募し、見事受賞。さらに7月、講談社ノンフィクション賞の受賞も決まり、個人の作品でありながら、三賞獲得となった。

 贈賞式で城戸さんには、選考委員を務める大谷と、黒田清さんの実兄で大阪食糧卸の黒田脩会長から賞状と造形作家・伊達伸明氏制作の木製オブジェ、さらに賞金50万円が手渡された。


贈賞式
贈賞式


 賞状を授与したあと、大谷は「北海道新聞社が2004年に、日本新聞協会賞、JCJ大賞、菊池寛賞をトリプル受賞したことがあるが、これは組織として受賞したもので、個人での三賞総ナメは、日本のノンフィクション界ではおそらく初めて。これまでいろんな作品を読ませてもらっているが、思わず目頭が熱くなる、涙が溢れてくるノンフィクション作品には、そうそうお目にかかれるものではない」と絶賛。「反日デモやギョーザ事件、ニセモノが横行する中国を見るたびに、私が残留孤児の取材で中国を訪れ、そこで触れ合った中国の人たちとは違うと感じている。しかし、城戸さんの作品を読むと、私が出会った人々が生き生きと描かれている。2006年に新人賞を受賞した堤未果さんは、私たちが知らなかった米国の暗部を描いた。城戸さんは、私たちが知っている中国という国のマイナス部分ではなく、中国の人々の本当の素晴らしさをこれからも書き、伝え続けてくれるのではないか」と、今後の活動に期待を寄せた。

 続けて黒田脩会長は「毎年すばらしい作品、すばらしい方を選んでいただき、黒田清の兄として、厚く御礼申し上げます。城戸さん、今後も精進されまして、ますます大成されますことを心から祈念します」と語った。


右から、黒田脩さん、城戸久枝さん、大谷昭宏
右から、黒田脩さん、城戸久枝さん、大谷昭宏


 贈賞式後のスピーチで城戸さんは、大学生のころ、中国残留孤児二世の自分が孤児について何も知らない、そんな自分が恥ずかしく、それがきっかけで書くことを思い立ったと明かした。また、中国という国とどう向き合うかについては「留学中、あからさまな反日感情を向けられることもあった。どのように自分が対応すればいいかわからなかった。一方で、中国の人々の深い愛情に包まれている自分がいる。そこで、私にできることは、互いに国を背負わず、個人対個人で向き合い、話をしていくことだと感じました」と語り、この作品を書くことで自らの家族の歴史を辿る旅は終わったが、今後は若い世代の一人として戦争体験者らの話に耳を傾けていきたい、と抱負を語っていた。


 「黒田清新人賞」以外の2008年JCJ賞の各受賞作は次の通り(敬称略)。

【JCJ大賞】
受賞作:『新聞と戦争』(朝日新聞)
受賞者:朝日新聞「新聞と戦争」取材班

【JCJ賞】
受賞作:『揺らぐ安全神話・柏崎刈羽原発/中越沖地震からの警告』(新潟日報)
受賞者:新潟日報報道部・柏崎刈羽原発取材班

受賞作:『セーフティーネット・クライシス/日本の社会保障が危ない』(NHKスペシャル)
受賞者:NHK制作チーム

受賞作:『死刑/人は人を殺せる。でも人は、人を救いたいとも思う。』(朝日出版社)
受賞者:森達也



日本ジャーナリスト会議
http://www.jcj.gr.jp/

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