これをやれば間違いなく国会は活性化
− 質問時間配分より知恵を絞れ −
4・6(ヨンロク)だ、2・8(ニハチ)だ、いや5・5(ゴーゴー)だなんて、水割りやお湯割りじゃあるまいし、もっと知恵を絞れないのか─。いささか不謹慎だけど新聞やテレビ、ラジオのコメントは、そんな前置きから始めた。
例によって総理のご意向かどうかはともかく、衆院選では大勝したものの謙虚になったはずの自民党が言い出した国会質問時間の見直し。私は「そんなに与党が質問したいのなら、1度やってもらったらどうか。真剣勝負されて困るのは自民党だろ」なんて言っていたのだが、まずは与党1野党2の時間配分で始まった加計問題をめぐる文部科学委の質疑。
アーア、のっけから目を覆う惨状。与党議員はいきなりメディアを「恣意的」、野党を「根拠なき結論」とこき下ろし、最後は加計にかかわった自分の自己弁護。
続いては、とにかく物議をかもして名前が売れたらいいだけの議員が、与野党の幹部を名指しで「みんな利得罪に収賄罪の犯罪者だぁ」。さらには朝日新聞の記事を「捏造報道だ」。ところが調べてみるまでもなく、この議員、「質問時間をもっとよこせ」と主張していた日本維新の会、つまり野党側。もはや国会は学級崩壊というしかない。
そこで、だ。私が新聞、テレビなどでコメントしたことの後段が生きてくると思うのだ。国会はプロ野球や大学、社会人野球にならって、ベストナイン、さらにはゴールデングラブ賞も取り入れたらどうか。
総理がいきり立つような質問をした議員、大臣がはだしで逃げ出すような鋭い突っ込みをした議員。もうひとつ言うと、そんな切り込みにも微動だにせず、見事に誠意ある答弁をしてみせた閣僚。
野球界にならってそうした議員に担当の国会記者の票、さらには議事録をネットで公開、一般の有権者の票も上積みして賞を出す。国会閉会時に結果を発表。それぞれの賞にポイントをつけて、次の国会ではその合計点によって各党の質問時間を決めていくのだ。
どうだろう。国会の活性化は間違いないのではないか。ヨイショや自慢話ばかりでは、与党の質問時間はゼロになる。反対に安倍さんを激怒させてベストナインになった与党議員が次は公認をもらえなかったりして…国会劇場、結構なにぎわいになると思うけどなあ。
(日刊スポーツ「フラッシュアップ」2017年11月21日掲載)
|