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高速道路 フラッシュアップ


あえて言う こんな男たちを死刑にできないものか
− 東名高速で言いがかり 川崎トンネルで通り魔 −

 突然ですが、私はかなり強固な死刑制度存続派である。そしていま誤解を恐れずに言うと、こんな男たちを死刑にすることはできないものか、と思っている。
日刊スポーツの実際の記事画像
 東名高速で6月、ワゴン車にトラックが追突、夫婦が亡くなった事故は、直前に言いがかりをつけてきた男に無理やり停車させられ、そこにトラックが突っ込んだことがわかった。過失運転致死傷罪で逮捕された福岡の男(25)はパーキングエリアで車の止め方を注意されて「キレて追いかけ」、まわり込んで追い越し車線で止めたと供述している。

 男はこの事故の1カ月前にも山口県下関市で運転中に車をほかの車ぶつけたり、窓をたたくといった妨害行為をしていたことが明らかになっている。だけど東名事故の逮捕容疑は最高刑でも懲役7年の過失運転致死傷罪。私が番組で訴えている未必の故意の殺人が適用されたとしても死刑はあり得ない。無期懲役にしたところで、必ず出所してくる。

 そうなると、キレやすいくせにしつこく陰湿な性格。両親の死の真相を訴え続けた高校生と小学生の娘さんの身の安全にもかかわってくる。

 もう1件。2006年9月、川崎市の線路下のトンネルで当時27歳の女性が刺し殺された通り魔事件で、この事件の半年後、同じ市内で女性を刺して重傷を負わせ、懲役10年の刑で服役している男(36)が犯行を自供、逮捕された。

 男は動機について、幼いころ女性にいじめられたとして、「女性ならだれでもよかった」と供述。さらにいまになって犯行を打ち明けた理由については、刑の満期が近いことをあげ、おそろしいことに「出所したら、必ずまた女性を襲ってしまうから」としている。

 この事件でも男が死刑なることは、まずない。必ず女性を襲ってしまう男は、必ず社会に出てくるのだ。何もこんな男たちは死刑にしてしまえと言っているのではない。だが、生涯を服役ですごす終身刑を新たに設けることはできないのか。

 前回のこのコラムに、ルールを守る善良な市民が、ならず者から身を守るためとして銃を手放せないアメリカ社会の呪縛を書いた。ならば銃を手にしない社会を誓い合った私たちには、そのかわりに、こんな男たちを永遠に善良な市民から遠ざけておく権利があると思うのだが─。

(日刊スポーツ「フラッシュアップ」2017年10月17日掲載)



死刑制度をめぐる日本の議論:世論は8割が死刑容認 | nippon.com
 http://www.nippon.com/ja/features/h00101/
危険運転致死傷罪(Wikipedia)
 https://ja.wikipedia.org/wiki/危険運転致死傷罪
日本に終身刑がない理由ってなんなんだ? - NAVER まとめ
 https://matome.naver.jp/odai/2146667576907305801


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