愚にもつかぬ…誤解も理解もない
− 今井絵理子議員の不倫報道 −
うんざりする暑さの中、安倍政権はあさって組閣人事を行う。それに先立って稲田朋美防衛相の辞任。その稲田大臣が辞意を表明したという情報の裏取りでバタバタしていた先週の夕方ニュースの最中、週刊誌に不倫報道が出た元SPEEDのメンバー、自民党の今井絵理子参院議員(33)が囲みの取材に応じるという。はっきり言ってうんざりするニュース。とりわけ今井議員に私は、女性としてひとりの母親として、嫌なものを感じていた。
個人的なことを言うと、私がかかわっているニュース番組のディレクターのうち半分は女性、そのほとんどがママだ。もうひとつ言うと、私が個人で事務所を設けて30年。こちらもスタッフの女性、そしてママの力は大きい。
だが、あらためて今井議員が昨年、参院選に自民党の比例代表として立候補したときの公約を見ると、<全ての子どもたちが笑顔と希望にあふれる環境をいっしょにつくりたい>とある。
言うまでもなく今井議員は人気グループのメンバーで、20歳で結婚、その後、離婚したシングルマザー。いま12歳になる息子さんは聴覚にハンディのある障がい者であることは多くの人が知っていた。選挙の際、自民党の古参女性議員が「女性票を集めるのに、これほどうってつけの候補はいない」と鼻息荒く語っていた。
だけどはっきり言って、うってつけとは、障がい児を持つシングルマザーだったことではないのか。もっと言おう。囲み取材で今井議員は「誤解を与えたことをおわびしたい」としていたが、間違ってもらっては困る。愚にもつかない不倫に、誤解も理解もあるものか。大事なことは多くの女性が、母が、そして障がい者が、あなたという人を誤解していたということなのだ。
不祥事続きの女性議員のなかで今井議員だけをやり玉に挙げる気はない。だけど、あなたならわかってくれるはずです。歳費と手当合わせて年収4167万円、向こう5年間、議員を続けたら総額2億800万円。そんな収入のある、障がい児を持つシングルマザーは、まずいないのです。
ここは即刻、議員を辞職して、あらためて<子どもたちが笑顔と希望にあふれる環境をいっしょに>つくりませんか。
(日刊スポーツ「フラッシュアップ」2017年8月1日掲載)
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