みんなで東北を語ろう
− 仙台シンポジウムに来て −
今週末15日の土曜日、ほぼ半年ぶりに東日本大震災の被災地を訪ねる。「〈東北の今〉を語ろう! そして明日へ…」のシンポジウムに参加させていただく。なんだか漠然としたタイトルのこの会、そもそも発端からしてざっくりしている。
東急不動産ホールディングスの金指潔会長と私は高校大学から半世紀以上のつき合い。そこに額賀福志郎衆院議員、政治評論家の福岡政行東北福祉大教授、涌井雅之東京都市大教授らが加わって2カ月に1度はグラスを傾けながら、異業種交流。ただ、さすがに2011年3月11日のあの大震災と津波の被害。数カ月間、会は途絶えたが、その後はもっばら被災地の話題。
企業としての復興支援。党復興加速化本部長としての取り組み。さらにはアカデミックの世界からの助言。そしてジャーナリストとして見聞したこと。誰かがしゃべり、みんなが耳を傾ける。そんなことを繰り返してきたのだが、被災から6年半。ちまたで人々の話題に上ることは極端に減った。そこに追い打ちをかけるように復興大臣の「(震災は)東北でよかった」発言。
よーし、俺たちが足を使い、汗をかきに、福岡教授のいる仙台に行こうじゃないか。シンポジウムをやろうじゃないか。それぞれのツテで声をかけたところ、集まった集まった。菅原茂気仙沼、戸羽太陸前高田、桜井勝延南相馬の各市長。震災取材でお世話になった南三陸ホテル観洋の阿部憲子女将、俳優でNPO活動を続ける柴俊夫さんと支援者の河合通恵さん。3時間余りの会にはもったいないようなメンバーがそろった。
こうした会は最後に、まとめか結論を出したがるものだが、進行役の福岡教授と私の方針は、テーマなし、まとめなし、それぞれが東北の今に、被災地の明日に、思いの丈をぶっつけたらいい。短い時間だが、会場からの質問もできる限り受けようと思っている。
シンポジウムの打ち合わせ中に起きた九州地方の豪雨大被害。地震、台風、豪雨、火山。災害とは切っても切れない列島に暮らす私たち。海の日も近い連休の初日、機会があったら、ぜひシンポジウムにお運びください。15日午後1時開場、1時半開会。東北福祉大ステーションキャンパスS500教室(仙台市青葉区国見)。もちろん入場無料。
(日刊スポーツ「フラッシュアップ」2017年7月11日掲載)
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