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国会 フラッシュアップ


強行、無視…この国の姿に怒りより物悲しさ

 国民の危惧をよそに共謀罪は来週中にも参院で強行採決されかねない。一方で加計学園問題は前川喜平・前文科事務次官が何を言おうと無視を決め込んで逃げ切るつもり。この事態に「腰が引けてる」とメディアに対する批判が高まっていることも痛切に感じる。
日刊スポーツの実際の記事画像
 ただ、どの新聞、テレビも、なすすべもなく押し切られようとしているわけではない。木曜日に出演している大阪・朝日放送の夕方ニュース「キャスト」は先週、ついに戦前の国際連盟(当時)まで持ち出した。

 1937年、中国侵略を国際社会から批判され、キレてしまった日本は国際連盟を脱退。その後、第2次世界大戦に向かって泥沼の道を歩む。と、そこまで浦川泰幸キャスターと歴史の勉強をしたあと、ボードにはマルタ大のジョセフ・ケナタッチ教授とカリフォルニア大のデービッド・ケイ教授、2人の国連特別報告者の写真と書簡が並んだ。

 ケナタッチ教授は、いま国会で審議中の共謀罪について「プライバシーや表現の自由を制約。人権に有害な危険性が高い」と判断。一方、日本の言論、表現の自由を担当したケイ教授は「日本ではメディアに対して、直接、間接的な政府の圧力がある」と報告。ともに日本は人権も表現の自由も、国際社会のなかで極めて劣悪で危険な状況だとする厳しい内容になっている。

 日ごろ自国のメディアには、ふた言目には「印象操作だ」と雑言を浴びせている日本政府。だけどさすがに国連報告には耳を傾けると思いきや、ケナタッチ報告には、「一方的で不適切」と、反省するどころか抗議文を送りつける激高ぶり。片やケイ報告には、「調査のとき便宜を図ってやったのに、この結果はなんだ」と完全無視を決め込んだというからあきれ果てる。

 「キャスト」では、夕方のお茶の間に、日本はかつての国際連盟脱退の反省に立って戦後、一貫して国連中心主義できたのに、このたびの対応は何なんだ。そんな思いを伝えたかった。

 隣には、国連がどんな制裁決議をしようが、ミサイル発射と核実験を繰り返す狼藉国家がある。その隣国の暴虐ぶりは国連の輪の中で解決すべきと迫りながら、自国への忠告、警告には尻をまくって開き直る。私たちの国のこの姿に、怒りより物悲しさを感じる。

(日刊スポーツ「フラッシュアップ」2017年6月6日掲載)



国際連盟からの脱退!なぜ?日本脱退の理由とは!(日本と愉快な仲間たち)
 https://japanandworld.net/archives/3725
加計学園問題は「野党の怠慢」と「政権の軽率」こそが問題だ(ダイヤモンド・オンライン)
 http://diamond.jp/articles/-/130674
「共謀罪」の内容+賛成派・反対派の意見をわかりやすく解説!(ホンシェルジュ)
 https://honcierge.jp/articles/shelf_story/2555


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