山口組の生の声を放送した意義
− いろいろ批判あること承知 −
先週、東海テレビ(名古屋)の番組、「みんなのニュースOne」と私の周辺は少しざわついていた。局の県警担当B君の食い込みもあって山口組幹部を私がインタビュー、9日に放送した。鉄壁の結束といわれた山口組が神戸山口組と2つに割れて1年。山口組はこれまでテレビ、新聞などとの接触を厳禁としてきた。
その山口の幹部がモザイク入りとはいえ、テレビカメラの前でインタビューに応じたのだ。さすがだと思ったのは、数時間後には警察当局がその事実を把握。東京のテレビ、新聞、週刊誌も相次いで問い合わせてきた。と同時に当然、批判にもさらされていた。
警察は「公共の電波で反社会勢力の言い分を流すのか」。そしてメディアからは「対立する組織の一方を取り上げるのは公平性に欠ける」。だが、私たちのスタンスはいつも一緒。「番組を見てくれる視聴者の目を信じている」。これに尽きる。ほんの一部だけど、インタビューを聞いてほしい。
─先日、新神戸駅で神戸山口の若い衆が、からかい半分に親分(司忍山口組組長)に「サインください」とか、神様だった親分に、このガキら自分のしたことが後日どれだけマイナスになるか理解できとらんのです。
─6代目(司組長)の杯をいただいて、われわれの世界では「この人のために命かけます」ということなんですわ。それを10年もたってから何も言わんと出て行って。分裂やない謀反ですわ。なのにカネの締めつけが厳しいとか、人事がどうのとか。みんなあとから作り話しているだけですわ。
─和解の流れとか言うけど、無駄な血を流す必要がないじゃないかと言うんなら、お前さんら(神戸山口)が反省したらしまいや。そんで責任あるもんが来るんやったら会うてやろいうことになったけど、話にならんから、さよならですわ。
─(神戸山口と)今後どうなるか言われても、ほかの組織は怒るかもしらんけど、日本一の山口組ですよ。バリバリの本格的なけんかになって、どんな結果が出ようと仕方がないことですやんか。それで組織が衰退するとか、警察が入ってくるからけんかやめとことか。それはないですね。
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さまざまな批判があることは承知で、生の声を聞いた意義はあると思っている。
(日刊スポーツ「フラッシュアップ」2016年9月13日掲載)
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