選手に厳しくファンにやさしいハガネの男
− 阪神・金本新監督 −
来季のプロ野球、特にセリーグはおもしろくなるぞ。そんなことを予感させるひとときだった。
毎週木曜日に出演している大阪・朝日放送（ＡＢＣ）の「キャスト」（月〜金曜午後４時58分から）の10日のゲストは阪神の金本知憲新監督（47）。いかんせん大阪の番組。黄色と黒のしま模様のイスに座った金本さんの前には産湯につかったときからの阪神ファン、ココリコの遠藤章造さん。それにキャスターの浦川泰幸さん、塚本麻里衣さんをはじめ、スタジオはトラ一色。Ｇファンの私は少し離れた外野席。でもインタビューにもちょっとからませてもらって楽しかったなあ。
金本さんといえば、頭に浮かぶのは1492試合連続出場記録だが、ひとことで言うと、鉄人というよりは妥協を許さないハガネのような男。それが第一印象だった。掲げたスローガンは「超変革」。これまでのことはかなぐり捨てて、とにかく変えるという。
遠藤さんの「来季レギュラーで行くのは？」の質問にはズバリ、「決まっているのはゴメス、福留、鳥谷の３人だけ」。あとの選手は過去の栄光も実績も関係ない。オフに鍛え上げてその座を奪えというのだ。
私のおバカな質問。「あの〜、ずい分前にアニキ！と呼ばれるのはいいけど、いい年のおっさんに言われるのはちょっと、と言ってましたけど、やっぱり今も？」という問いにも、「監督と呼ばれるのも、なんやムズムズしとるのに、年上からのアニキ！も、やっぱ、ちょっと居心地が」と真面目に答えてくれる。
悩んだ末に引き受けた監督。自分に課した言葉は「覚悟」。そんな金本さんだけど、キャンプ中、きょうはギャラリーが多いと見てとるや、急きょ紅白戦を組んでみせるといったファンサービスも。
「選手には、自分の年俸は、プレーを見に来てくれとるファンが払ってくれてるという気持ちを忘れんといてほしいんです」
選手には厳しく、ファンにはやさしい金本さん。監督がそろって40代となったセリーグ６チーム。そのなかで金本さんが最年長。一番の若手は、こちらも原さんのあとを継いだばかりの40歳、高橋由伸ジャイアンツ新監督。
ヨシノブ巨人、がんばれ、負けるなよ。来季の阪神、アニキ！は手ごわいぞ。
（日刊スポーツ「フラッシュアップ」2015年12月15日掲載）
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