酒の上の醜態見せたら立候補資格なし…としたら
— 投票できる未成年のため 公選法の改正考える時 —
先週の木曜日、事務所に顔を出すと大阪市議会に詳しいスタッフが「やっぱり委員長は出てきてません」という。それはそうだろう。大阪維新の会の井戸正利市議、どの面下げたって出てこられるわけがない。この日発売の週刊新潮が大阪・キタの焼き肉屋での維新市会議員男女6人のらんちき騒ぎの写真を載せていたのだ。
女性市議をひざに乗せたり、足の臭いを嗅いだり。極め付きは眼鏡にヒゲのおやじが、女性市議の胸をむんずとつかんだツーショット。その人物こそが井戸議員だった。
医師でもある井戸さん、「あれは胸の触診」なんてとぼけた言い訳をしていたが、結果、委員長ポストは辞任。その委員会は、この日が初会合の「教育こども委員会」というから悪い冗談かと思ってしまった。と同時に、公選法の改正を真剣に考えるときだと感じたのだ。
というのも、この日の朝刊各紙は、いま審議中の安保法制特別委の委員でもある民主党の後藤祐一衆院議員が3日未明泥酔、議員宿舎前でタクシーから降りようとせず、朝日新聞によると「降ろす法的根拠を示せ」「釣り銭を受け取る法的根拠は何か」などと運転手にからみ、困り果てた運転手が通報。警官が駆けつけ、騒ぎで出てきた自民党議員らと宿舎に入れたが、本人も転んで頭に1週間のケガをしていた。事態を知った民主党幹部はカンカン。向こう1年間の禁酒を言い渡したそうだが、これが46歳の大の大人がやることか。
折しも今月に入って、衆院特別委員会で選挙権年齢を18歳以上とする公選法改正案が可決、参院に送られ、法案は成立する見通しになった。この先の市議選などの地方選や来年夏の参院選から18、19歳も投票できるのだ。
とはいえ、彼らは未成年。酒やたばこの味は知るはずもない。そんな若者たちは、いい年をした大人の酒のうえの醜態など理解不能に違いない。だからこそ、この際、公選法も改正。酒を飲んでの不始末、それに大阪維新市議のような未成年者に見せられたものじゃない男女間の不純淫乱行為。若者に説明のつかないこれらの行為があった者は立候補の資格を失う、とすべきではないのか。
えっ、なんですって? 「降ろす法的根拠を示せ」ってか。??……
(日刊スポーツ「フラッシュアップ」2015年6月9日掲載)
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