悪の芽摘む粛正の嵐に期待
— 選挙は自民圧勝も… —
選挙期間中だったらとても書けないし、いささか私事にもなるが、選挙も終わったことだから、この際、書かせてもらうことにした。
私の自宅は選挙区でいうと、大阪8区。今回の選挙では、自民公認の大塚高司議員(50)が維新候補(比例復活)や社民、共産候補らを破って当選した。
だけど選挙前、自民党支持者からも「入れる人がない」と、さんざん恨み節を聞かされた。というのも、大塚議員は国土交通政務官だった昨年夏、ホステスの愛人をぶん殴り、大怪我をさせて大阪府警から傷害容疑で書類送検されていたのだ。なのに、この選挙では自民の追い風に乗って、そんな事件があったことはどこ吹く風、と3選を果たした。
ところが当選直後、今度は産経新聞が、議員が8区政党支部の政治資金から妻が経営するフレーバーティーの会社に女子会出席者の土産代などとして175万円も支出していたと報じた。だけど議員は「誤解されるなら、今後はやめる」と、これまた批判にはどこ吹く風。冗談じゃない。政党支部の金は、もとをただせば私たちの税金で成り立つ政党助成金。税金で議員の妻の会社の商品をせっせと買わされたのではたまらない。
たしかに自民は選挙で大勝ちした。だけど調子に乗るなと思っていたら、興味を引くニュースが飛び込んできた。ネギにコンニャク、ワインの贈答。さらには明治座の観劇代金をめぐって5000万円超の疑惑が指摘されて大臣の座を追われた小渕優子議員。そんな逆風なんて、これまたどこ吹く風。早々と当選を決めたのだが、その直後、メディアが一斉に、東京地検が議員の関連団体を捜索したところハードディスク(HD)にドリルで穴が開けられていたと報じたのだ。
このニュース、関連団体を捜索したのは地検だから、HDの件は地検しか知らない。ということは、この件は地検がメディアに情報を流した。つまり「なめた真似しやがって。このままですむと思うな」という地検ののろしなのだ。近々、捜査は議員の身辺に及ぶはずだ。
与党圧勝は確かに民意だ。だが、巨大与党だからこそ、悪の芽は早めに摘み取っておかなければならない。ここは地検の粛正の嵐に大いに期待、である。
(日刊スポーツ「フラッシュアップ」2014年12月23日掲載)
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