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人影 フラッシュアップ


一番恐れていたことが現実になった
— 中容疑者が女性刺す —

 先週の5日水曜日、私はニュース番組の仕事でいつも通り東京に。だが、大阪の私の事務所周辺は大騒ぎだった。梅田に近いキタの繁華街というか歓楽街。普段から事件の多い所ではあるが、この日は男に女性が刺されたということで朝からパトカーがあふれ返った。やがて女性を刺した男が中勝美容疑者(66)と報じられて、事務所のスタッフは2度びっくり。
日刊スポーツの実際の記事画像
 中容疑者は2008年5月、京都府舞鶴市で女子高生(当時15)が川岸で殺害遺体となって発見された事件で逮捕起訴され、1審・京都地裁で無期懲役判決を受けたが、2審・大阪高裁は無罪判決。最高裁もこれを支持して、今年7月無罪が確定したばかりだった。

 夕方のニュースで女子高生事件とからめて今回の事件を取り上げながら、私はなんともやり切れない思いと、腹立たしさを感じていた。

 断わっておくが、中容疑者は女子高生事件に関して、最高裁で無罪が確定している。その事実は重く受け止めている。だが、その一方で、舞鶴の女子高生のお母さんがいち早く「驚きとともに憤りを感じた。一番恐れていたことが現実になってしまった」とコメントされていたが、その怒りと同じ思いを抱いた読者視聴者も多いのではないか。新聞、テレビは市民の素直で率直なそんな思いに、もっと耳を傾けるべきではないのか。

 京都府警は中容疑者を尾行、さい銭と下着泥棒で逮捕したが、これはどんな小理屈をつけようが、明々白々の別件逮捕だったのではないのか。それに最高裁判決は、被害者の下着やポーチの特徴について「捜査員の思う方向に変遷している」と指摘している。警察、検察が、そんな誘導の事実はないというなら、なぜ、この場面を可視化して録音録画しておかなかったのか。

 もう1つつけ加えるなら、こんな指摘があるにもかかわらず、警察庁はなぜ、いまもって取り調べの全面可視化に頑強に反対するのか。

 無実の人が半世紀も獄に繋がれ、その一方で女子高生の母が体を震わせて犯人検挙を願っても、誰もが納得できない形で幕が引かれてしまういまの捜査。このままでは「一番恐れていたこと」が際限なく繰り返される、この国の司法と言わざるを得ない。

(日刊スポーツ「フラッシュアップ」2014年11月11日掲載)



舞鶴高1女子殺害事件(Wikipedia)
 http://ja.wikipedia.org/wiki/舞鶴高1女子殺害事件
「中勝美」の検索結果(Yahoo!ニュース)
 http://news.search.yahoo.co.jp/search?p=中勝美
取調べの可視化(取調べの可視化実現本部)(日本弁護士連合会)
 http://www.nichibenren.or.jp/activity/criminal/recordings.html


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