何があっても戦争しない誓いの日に
— 10月18日までに体調を… —
私事になるが、この夏は病と闘う夏になってしまった。だけど、おかげさまでテレビ番組も東京、大阪、名古屋、今週からすべてに復帰できることになった。この間、お見舞いや励ましの言葉をあちこちからいただき、心から感謝しています。ありがとうございました。
さて、もちろんテレビや原稿のことも気になっていたのだが、ベッドの上で私は、10月18日までにはなんとか元の体に、とひたすら念じていた。その日は厚労省主催の「中国残留邦人等への理解を深めるシンポジウム」(神奈川県、横浜市など後援、神奈川新聞共催)。お芝居やパネルディスカッション、それに合唱、リハーサルを入れてまる1日の長丁場。それに耐える体になっておきたかったのだ。
何しろ、このシンポジウム、九州のステキな演劇集団、「劇団道化」のみなさんや、私とは30年以上のおつき合いの中国残留孤児2世の伊藤春美さんたちと組んで、これまで福岡、大阪、広島、札幌とまわって今度が横浜と、まるで旅の一座。私の事務所にとっては、しんどいけど、やり甲斐のある恒例のイベントなのだ。
加えて今回のディスカッションは残留邦人の問題をライフワークのようにして追い続けている朝日新聞の大久保真紀編集委員をメーンに、あの敗戦のとき、侵攻してきたソ連兵の銃弾が耳元をかすめていった記憶があるという79歳の孤児1世の門伝富美さん、孤児2世の伊藤春美さん、さらには、おじいちゃんが孤児1世、日本語もまったく知らないまま小学6年で日本にきて、いまは明治大学1年生、孤児3世の鈴木芹奈さんの3世代がパネリスト。過去、現在、そして未来へと広がる、実りのあるシンポジウムになりそうだ。来年は、あの大陸で女性や子どもたちが、置き去りというより棄民にされて70年。それだけの年月を経て、なお戦争の災禍に苦しんでいる人々がいる。だからこそ、何があっても戦争は2度としてはならない。そんなことを改めて思い起こし、誓い合う秋の1日にしたい。
シンポジウムは、10月18日(土)午後0時30分開場。横浜市教育会館(西区紅葉ケ丘)、入場は無料だが、事前の申し込みが必要。問い合わせはTEL 045・232・4921まで。
(日刊スポーツ「フラッシュアップ」2014年9月30日掲載)
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