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新聞 フラッシュアップ


日本中にはびこる問題
— 朝日の池上連載拒否騒動 —

 池上彰さんとは、何度か番組でご一緒させてもらっている。テレビのほか、新聞、雑誌の連載。それらをアシスタントも使わず、全部自分でこなしているので、いつも資料の詰まったズタ袋のようなカバンを抱えて息せききって歩いている。声高に相手を言い負かせば勝ち、とでも思っている自称ジャーナリストが跋扈している中、根は頑固なリベラリスト。でも表はニュートラルなキャスター。私が敬愛する仲間の一人だ。
日刊スポーツの実際の記事画像
 その池上さんが朝日新聞に月1回連載していた「新聞ななめ読み」をめぐって、当の朝日が目を覆う醜態をさらしてしまった。8月、朝日が掲載した従軍慰安婦検証記事にふれた池上さんの原稿の掲載を拒否。これに対して池上さんは連載の中止を通告した。ところが朝日はこの事態が明るみに出た翌々日の9月4日、「池上さんと読者の皆様へ」というお詫びとともに「訂正、遅きに失したのでは」のタイトルで池上原稿を掲載するという、みっともない腰のふらつきぶりを見せてくれたのだ。

 さらに朝日は、6日付けの紙面で池上原稿拒否のいきさつとお詫びを改めて掲載。その中で「特集掲載後、関係者への人権侵害や脅迫的行為が続き、池上さんの原稿にも過剰に反応してしまった」としている。

 はっきり言って、この期に及んでこんな言い訳をしているようではダメだ。掲載拒否の理由は、池上さんがこの原稿の中で「報道の過ちを認めたのに、なぜ謝罪がないのか」と迫っていることで社内が大混乱に陥ってしまったからだ。朝日の社内を見ていたわけでもないのに、と言われるかも知れないが、そうに決まっている。

 今回虚偽とされた「吉田証言」を報じたのは、いまから30年前。その10年後には証言に疑いが出ていたが、朝日が訂正することはなかった。それをいま謝罪するとなると、「あのときの社長は誰だ。編集局長は」「いや社会部長は、いま役員の○○さんだ。そんな大先輩に恥をかかすのか」という声がある一方、若手は「逃げるな。みっともない」。

 だけど、こうした問題、朝日に限らず、日本中にはびこっていると思いませんか。というわけで、この朝日問題、2回に分けて来週も書かせていただきます。

(日刊スポーツ「フラッシュアップ」2014年9月9日掲載)



池上彰の新聞ななめ読み)慰安婦報道検証 訂正、遅きに失したのでは(朝日新聞デジタル)
 http://www.asahi.com/articles/DA3S11332230.html
読者の皆様におわびし、説明します 池上彰さんの連載掲載見合わせ(朝日新聞デジタル)
 http://www.asahi.com/articles/DA3S11336075.html
【池上コラム掲載問題】朝日だけじゃない!“正義”のために…「(ビジネスジャーナル)
 http://biz-journal.jp/2014/09/post_5970.html



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