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東北 フラッシュアップ


それでも「負げねぇぞ」
— 震災3年の思いを… —

 聴衆だけではなく私たちパネリストも、みんな目を潤ませている。こんなシンポジウムを経験したのは初めてだった。3・11東日本大震災を前に、2日、東京・有楽町の朝日ホールで開かれた西本願寺主催の「『ご縁』〜結ぶ絆から、広がるご縁へ〜」。
日刊スポーツの実際の記事画像
 被災から3年。風化が言われるなか、東京のまん中で被災者やこの震災に関わっている方々が集って、あらためて人と人のご縁を考える。そんなシンポジウムの趣旨に、ぜひともと思ってかけつけた。

 私のほかに被災地、気仙沼で酒店を再開させた菅原文子さん、被災地で歌声喫茶活動をしている女優の音無美紀子さん、被災者の電話相談を続けている野呂恵靖さんらで震災3年の思いを語り合った。なかでも菅原さんは、あの日、自宅兼お店で津波に襲われ、夫の豊和さんと握り合った手を波が引き離し、38年連れ添った豊和さんは行方不明に。義理の父と母も犠牲になった。

 被災から5カ月たった8月、「突然いなくなったあなたに伝えたいことが山ほどあります」と記した手紙が「KYOTO KAKIMOTO 恋文大賞」を受賞。この日は被災地でお年寄りを「一緒に歌おう」と歌声喫茶に引っ張り出している音無さんに、私たちパネラーの発案でその手紙を朗読してもらうことになった。

 <あなたへ…凄まじい勢いで波にのまれ、私の目の前から消えました。あなたはいったい何処へ行ってしまったのでしょう…お店のこと心配していますか。お店はたくさんの方の応援をいただいて、4月23日仮店舗をオープンしました。混乱のなかで息子たちはほんとによく頑張りました…何も言えずに別れてしまったから、ありがとうを伝えたくて切なくて悲しくてどうしようもないけど、38年間いっしょにいてくれて、仲良くしてくれて、ほんとうにありがとう…願わくは寒くなる前に、雪の季節が来る前にお帰り下さい。何としてでも帰ってきて下さい>

 この手紙が書かれた10カ月後、翌年の6月に豊和さんの遺体は自宅近くで発見される。菅原さんは手紙が収録された本のあとがきに、こう記している。<それでも『負げねぇぞ』が、私たち東北の底力です。雪を持ち上げて咲く花のようにたくましく凛として生きようとする人がいることをお心にとめ、お見守りいただければ幸いです>

 きょうであの震災から3年。東北の「負げねぇぞ」の思いと凛として生きる人々の姿を、私たちはテレビ朝日報道特別番組「“3年後”のすがた」(午後1時55分〜)で福島県浪江町から、中継を交えてお伝えしようと思っている。

(日刊スポーツ「フラッシュアップ」2014年3月11日掲載)



KYOTO KAKIMOTO 恋文大賞 [第2回 恋文大賞]
 http://www.koibumi-kakimoto.jp/koibumi_vol02/
NDL東日本大震災アーカイブ(国立国会図書館)
 http://kn.ndl.go.jp/
未来へのキオク - 3 月 11 日。あの日から 3 年。(Google)
 http://www.miraikioku.com/2014.html



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