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罵声へ罵声…こらえ性ない軽薄男ども
— 復興庁キャリア「クソども」ツイート —

 新聞紙面を見ていて、まさに頭の線がブチッと音をたてて切れた思いだった。東日本大震災復興のまさに最前線、復興庁のキャリア官僚、水野靖久参事官(更迭)のツイッターだ。市民団体の集会を「左翼のクソどもにひたすら罵声を浴びせられる」とつぶやいたかと思ったら、福島県川俣町議会を傍聴して「田舎の町議会をじっくり見て、余りのアレ具合に吹き出しそうになりつつも我慢w」とある。
日刊スポーツの実際の記事画像
 川俣町といえば、放射能汚染に苦しむ福島の市町村のなかで私がもっとも多く足を運んだ町だ。帰還困難区域に指定された山木屋地区の区長さんの涙ながらの訴えも深い雪のなかで聞かせてもらった。その町に、なんという言葉をと心が凍りつく。

 もちろん、組織を放逐されたこの官僚をかばう気など、さらさらないが、それにしてもなんとこらえ性のない軽薄な男が増えたことか、と嘆息する。公党の代表を名乗りつつ、首長も兼ねる男が寝ている時間はあるのかと気になるほど一晩中、ツイッターでぶちぶち言っている。

 こんな男たちに、先日、読売の「編集手帳」は「どうしても言わずにいられないのであれば夜更けにひとり、盃を相手に愚痴ればいいものを、世間さまに聞かせたがる心理が分からない」と書いていた。ツイッターもフェイスブックも絶対にやらないと決めている私からすると、わが意を得たり、ご同輩、である。

 地元説明会や抗議集会、ときにはメディアに対しても、相手が立場上、グッとこらえているのをいいことに、罵声や聞くに堪えない言葉を浴びせている場面に居合わせることがある。参加者にしてみれば、やり場のない怒りをぶつけたい思いがあるのだろうが、その言葉にひたすら頭を垂れている側はきっと、こんな姿は奥様にも子どもにも決して見せたくはないだろうなと思う。

 だけど、だ。除染や警戒区域の区割り。地元エゴをむき出しにして紛糾している市町村議会でも、役場には粘り強くそんな議員を説得して、1日も早いわが町の復興を願って地べたをはいまわっている職員がいる。罵声に罵声で応えている時間があったら、町の居酒屋で、そんな職員と酒を酌み交わしてみたらいい。

 口幅ったい言い方かも知れないが、行政の仕事も私たちの取材も、こんなことの繰り返し。そんな酒を飲んだあとは、また小さなスナックで、バーのカウンターで、ひとり静かに飲んだらいい。私の恩師、亡き黒田清さんも「酒に何度ムカッ腹を抑えてもらったことか」と書いていた。そう、「男は黙ってサッポロビール」。ナウどころか、ふっるいなあ。

(日刊スポーツ「フラッシュアップ」2013年6月18日掲載)



【復興庁】水野靖久参事官のツイートが面白すぎる件(NAVER まとめ)
 http://matome.naver.jp/odai/2137127149381520001
水野靖久(Google ニュース検索)
 http://www.google.co.jp/search?q=水野靖久&num=100&newwindow=1&tbm=nws
Twitterやめますか? 人間やめますか?(Hal-Cana)
 http://www.halcana.jp/archives/443



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