橋下さん気づけよ 大阪が小バカにされるぞ 「あほらしもない」ことすんな!!
— 大阪市職員のたばこ持ち込み禁止 —
東京で生まれ育って、いまも仕事の大半は東京や名古屋。なのに、私の事務所も自宅も大阪にある。大阪の人や町、それに京都も神戸も大好きなのだ。だからいつの間にか、大阪や関西の悪口を言われると無性に腹が立つようになってしまった。だけど、その当の大阪がひと様からわざわざ小バカにされたり、からかわれることを、またまたしでかしてくれた。
大阪市が、市長部局の職員のたばこの持ち込みを禁止することにしたという。仕事につく前に専用のロッカーに置いたり、管理職に預けることにするそうだ。
確かに市職員の規範意識はヒドイ。去年2月には、地下鉄の職員が梅田駅の倉庫で隠れたばこ。火の不始末から火災になって、客が地下街を逃げまどう騒ぎになった。その後も、勤務時間中の禁煙など服務規程の研修を受けていた職員が講座を抜け出してたばこを吸ったことが発覚。さすがに万事おうような大阪市民も「こりゃアカンわ」。
もっとぶち切れたのが、そう、言うまでもなく、あの人、橋下徹大阪市長。服務規定刷新プロジェクトチームを立ち上げ、「不祥事を半減させろ」と厳命。だが、あとを絶たない勤務中の喫煙に業を煮やしたこのチームが考え出したのが、今回のたばこ持ち込み禁止だったのだ。橋下さんはこの結論に「厳しい姿勢の表れじゃないですか」と、いたくご満悦の様子だ。
だけどね、こういうニュースが全国的に、まともに公務員の服務規定の問題として取り上げられると思いますか。新聞がちょっとした囲み記事で「まるで校舎の裏でたばこを吸ってる中学生並み」とおちょくれば、テレビは早速、市役所からはるか離れた路上の喫煙コーナーでたばこをふかす市役所のおじさんをバックショットで撮影、「私ら、そこらの悪ガキ扱いですわ」とボヤかせて、この決定をからかい倒す。それがメディアの定番なのだ。
こうしたステロタイプ化した思考回路もいかがなものかと思うものの、この記事や映像を見た全国の読者、視聴者は「大阪の役人ってホントどうしようもないんだな」「そもそも何につけてもルーズな土地柄なのよ」と、分かったふうな顔でうなずき合う。
橋下さんも大阪市の幹部も、いいかげん、このバカバカしさに気づけよ。こんなふうにムキになってやればやるほど、思いもしないトホホな事態になってしまうことを、大阪弁では「あほらしもない」と言う。全国の人に、大阪人がまるで聞き分けのない、そこらのガキのように思われてどうするんだ。
大阪大好きの私に、こんなあほらしもないこと、書かさんといてほしいわ。
(日刊スポーツ「フラッシュアップ」2013年4月23日掲載)
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