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国会 フラッシュアップ


原発問題への1票…子孫に対する責任
— 衆院選今日公示 16日投開票 —

  いよいよ、きょう4日、衆院選が公示される。11もの政党が乱立する大混戦。なにがなんだかわからない、という人も多いだろうが、この選挙についての私の思いを書いておきたい。
日刊スポーツの実際の記事画像
 一つは、「なにがなんでも選挙に行こう」だ。それぞれの党が政策も理念もかなぐり捨てて、くっついたり離れたり。バカバカしくて選挙に行く気にもならない。棄権だ、という人も少なくないだろう。だけど、それは違うのではないか。

 棄権は政治を突き放した意志表示という考えもあるが、では突き放された政治の側はどうか。被災地の復興、原発、消費税、景気回復、TPP、沖縄の基地問題、年金、子育て、高齢者対策……、突き放しても、突き放しても、政治は否応なく、私たちの生活に入り込んでくる。早い話が消費税が10%になると、1万円の物を買えば1万1千円になる。自分は棄権したんだから、1万円のままにしろというわけにはいかない。

 ならば、増税に反対の党に投票するか、国の借金が1千兆円といわれるなか増税分を医療や介護、年金といった社会保障にあてるとしている党に1票を投じるのか、どちらかを選択するしかないのだ。

 なかでも今度の選挙でいまの時代を生きる私たちが大きな責任を背負っているのは、原発問題だと私は思っている。沖縄の基地問題を含む安全保障やTPPは相手があってのことだ。中国や北朝鮮という隣国があるなか、アメリカとの同盟関係をどうして行くのか。TPPにしても、通商関係は自分の国の一存で決められるものではない。

 だけど、原発は違う。私たちがこれからどうやってエネルギーを確保して行くのか、他国にあれこれ言われることではない。いまを生きている私たち自身で決められることなのだ。福島の現状を見てみるがいい。今度の選挙で本来の選挙区で投票できない人がどれほどいることか。戦争をしたわけではないのに、多くの人がふるさとを失う。こんな愚かな国が世界中にあるだろうか。

 その一方で、電力を自然エネルギーですべてまかなうとしたら、あと何十年もかかる。化石燃料に頼っているいま、早くも家庭用電力で10%、企業用で20%の値上が見込まれている。「もう国内に生産工場は置けない」という企業の悲鳴も聞こえてくる。この問題は、だれのせいにすることもできない。子孫に対して、いま1票を持っている私たちが責任を負わされているのだ。

 大風呂敷も駄ボラも、誤魔化しも、しっかり見破って、熟考に熟考を重ね、さあ、来る16日は、渾身の1票を投じるときなのだ。

(日刊スポーツ・西日本エリア版「フラッシュアップ」2012年12月4日掲載)



衆議院選挙(Yahoo!ニュース)
 http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/house_of_representatives_election/
原子力発電(Wikipedia)
 http://ja.wikipedia.org/wiki/原子力発電
毎日ボートマッチ(えらぼーと)
 http://mainichi.jp/votematch/



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