【東成区】
- 今回の区割り案は「財政基盤の安定と均衡」「財政の均衡化」を考慮したとの説明があったが、その具体的な中身は「住民一人当たり自主財源の比較」である。仮に「住民一人当たり自主財源」が大きくとも、財政全体を見て歳入よりも歳出(特に義務的支出)がそれを上回るような収支構造になっているとその自治体は厳しい財政運営を余儀なくされるため、「住民一人当たり自主財源」は財政均衡の指標としてあまり意味はない。ストック面で資産(インフラ)の維持管理コストや市債の残債の償還コストも、財政均衡にとって重要な視点であるが、あまり議論されていない印象がある。また、フローのコスト面でも、福祉や防災など非裁量的経費の比重が高くなる地域もあり、これらを総合的に勘案しないと、スタート時点で財政的に大きなハンディキャップを負うこととなる自治体もありうる。少なくとも、予定される開始貸借対照表, 行政コスト計算書,キャッシュフロー計算書を新特別区ごとに作成し(可能な範囲で将来分も予測)、法定協議会ではそれをもって財政の均衡化を議論していただくべきではないか。
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【住吉区】
- 両案とも、直近の分区の経過や地域住民間のつながりを踏まえ住之江区と同一区とされている点、財政状況均衡化の観点から中央区と同一区とされている点について、区割り案の基本的な考え方に即したものであると認識します。
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【旭 区】
- 区割り案作成にあたっての基本的な考え方には異議はありませんが、淀川を挟んで一区をつくる(4区案、6区案ともにA区及びB区)という部分については、区の一体性や防災面等で課題が大きいと考えます。
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【福島区】
- 一人当たりの自主財源の最大格差が4区案では1.14倍、6区案では1.2倍とほぼ均等となっているが、人口規模の最大格差が4区案で1.73倍、6区案で2.08倍となっていることから、結果的に各特別区の自主財源の総額は大きく異なることとなる。自主財源の総額が小さい特別区は、区独自事業を進めるには範囲が限定されることから、人口規模の少ない特別区に属する区民の理解を得られないのではと思われる。
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【福島区】
- 福島区の前回の住民投票結果を考えると福島区民は、概ね前回の区割り案には理解を示していたが、今回の4区案、6区案については前回の区割り案と大きく変わっており区民の理解を得にくいのではと思われる。
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【生野区】
- 自主財源が均等になるように区割りをしたとあるが、4区案、6区案ともに85千円〜103千円であり、実際に各特別区がサービス水準を下げずに事業を行なっていくためには財政調整制度が重要であることから、「自主財源に配慮して」という説明は、財政調整制度と合わせて行う方がいいのではないか。
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【大正区】
4区・6区案策定への背景、理由
- 前回住民投票へ向けて策定した行政4案(市長裁定前)は行政としてのベスト4案であったと今でも考えています。中核市並みの規模を現時点での人口で見るか将来推計人口で見るかという軸、そして、北区と中央区とをひとつにするか分けるかという軸といった行政案策定に当たっての軸が明確、かつ、妥当であったからです。
- 住民投票前後の様々なご意見を踏まえそれを修正する形で新たな5区(または、5区・7区)案をつくり直すというのがごく合理的な考えかたと思われます。
- 今回、「なぜ、(5区・7区案ではなく、)4区・6区案なのか理解しがたいところがあります。5区・7区案より4区・6区案のほうが、様々な意見を踏まえ妥当との判断に至った背景、理由が明確に示されているようには思われません。
- 大前提としてその点は明確に示されるべきです。また、それによっては4区・6区案のありかたも変わってきますし「区長会議総体としての見解」も変わってきます。
防災上の視点
- 「特別区の区割り案作成にあたって」の「具体的な考え方(視点)」に「災害対策について、防災上の視点について出来る限り考慮する」とあります。
- 「出来る限り考慮」≒「湾岸エリア区の統合をできるだけ避ける」との理解になっていないか懸念があります。親和性の高い湾岸エリア区のみを統合しても、防災対策(例:内陸特別区との協力)が考慮されていればよしとの考えかたで再検討できないでしょうか?
- 原案の発想では、全国的には幾つも存在する沿岸沿いに横広になっている地方公共団体はすべて、「防災上の視点」上、同団体の存在すら危ういということになってしまわないでしょうか?
自主財源
- 区割り案作成にあたり、人口規模については、「可能な限り均等化」を目標に、現時点ならびに将来推計を明示しています。
- 自主財源についてもその必要性はないでしょうか?現時点の値だけでなく、人口の自然・社会増減、あるいは、まちづくりの成功シナリオ(3パターン程度)に基づく税収増減を加味した将来推計値が必要ではないでしょうか?
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【此花区】
- 4区案のB区、6区案のD区について、津波によって区域の全域が水没したまま長期湛水する区は、危機管理の面からみて自治体としての体をなさず、住民の理解が得られない。
- 4区案のB区、6区案のD区について、区域内のUSJや大規模工場等にかかる税収の再配分をしっかり構築しないと、区民の理解を得られない。
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【東淀川区】
過去の合区・分区の歴史的な経緯
- 東淀川区は大正14年の第2次市域拡張以降淀川区とは一体の区であり、昭和49年7月に分区した経過がある。「過去の合区・分区の歴史的な経緯を踏まえる」ならば当然に両区は同じ区にまとめるべきである。
災害対策上の視点
- 東淀川区は淀川右岸、北区・都島区・旭区は淀川左岸にある。両者は長柄橋・菅原城北大橋・豊里大橋の3橋で結ばれているが、大災害が発生し橋梁に被害が出た場合や川の氾濫で通行ができなくなった場合には、交通が寸断される可能性が高い。物資の搬送など一体的な対応が困難であり、迅速な対応が行えないことが考えられる。また、大震災の発生時のJR新大阪駅の帰宅困難者対策や、津波が発生した場合の西淀川区・淀川区からの避難住民対策を組織的に行うため、少なくとも淀川区との一体化が必要である(西淀川区との3区合同も考察すべきである)。
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