JavaScriptが使えません。 BACK(戻る)ボタンが使えない以外は特に支障ありません。 他のボタンやブラウザの「戻る」機能をお使い下さい。
本文へジャンプ サイトマップ 検索 ホームへ移動
ホーム 更新情報 フラッシュアップ スクラップブック 黒田清JCJ新人賞 活動 事務所

Webコラムのコーナートップへ
連載企画「大阪都構想を考える」その1
都構想のルーツを探る
〜 古くて新しい大阪の自治体改革

吉富 有治
大阪
 いわゆる大阪都構想は言うまでもなく大阪維新の会が“一丁目一番地”とする最大の目玉政策である。ところが昨年10月末、同構想の設計図である特別区設置協定書(以下「協定書」)が府議会と市議会において否決されたため、一時は完全に頓挫したかのように見えた。正直、私もそう思っていた。しかし、前回のコラム「突如として決まった住民投票 公明党寝返りの背景に迫る」でも書いたように公明党の突然の豹変で事態は急展開。この構想の是非を問う住民投票が今年5月17日におこなわれる可能性が高くなった。

 そこでこのコラムでは「大阪都構想を考える」と題して、都構想とは何かについて連載し、様々な角度から解説したい。解説することで大阪市の有権者が住民投票する際の参考にしてほしいと願っている。なぜなら、この住民投票は市町村合併や原発再稼働の是非を問う住民投票などと違って、日本で初めて政令市を廃止するかどうかを住民に問うものだからである。いいか悪いか、好きか嫌いかで判断するのではなく中身を知った上で判断してほしいと思うからである。


 ところでなぜ冒頭に「いわゆる」を付けたかと言うと、住民投票で賛成多数になっても「大阪都」は名乗れないからだ。大阪市の橋下徹市長や維新の会は「大阪都構想」と呼んではいるが、実は国会で特別法の制定がない限り大阪が「都」にはなれない。この構想の設計図である協定書にも大阪を「都」とする項目はない。協定書に書かれてある大きな柱は政令市である大阪市を廃止して代わりに特別区を設置、大阪府を存続自治体として残すことなのである。より正確に言うならば「大阪都構想」は本来、大阪府特別区設置構想か政令市廃止特別区設置構想なのだが、大阪都構想の名称が世間で一般化していることもあり、このコラムでは便宜上、「大阪都」や「大阪都構想」と呼ぶ。なお「大阪都知事」と書く場合も大阪府知事の意味で使っている。

 そこで、大阪都構想とは何かである。維新の会の主張に沿って言うならば、政令市である大阪市の機能を大阪府と特別区に分散させ、より権限が強大になった大阪府を軸にしてかつての賑やかな商都大阪を呼び戻そうとする新たな都市構想である。

 その大阪都構想は大阪維新の会の専売特許ではない。そのルーツは昭和28年、財界の呼びかけを中心とした「大阪産業都構想」であり、平成12年には当時の太田房江府知事(現・参議院議員)が提唱した「大阪新都構想」に端を発するものだ。ちなみにこれらの構想はいずれも提唱にとどまり、大阪市の反発などで実現することは叶わなかった。

 余談だが、かつて橋下さんが府知事の時代に、自民党のある有力府議は私に対して「いずれ大阪府と大阪市を合併させ、昔から行政間の仲が悪くて世間から"府市あわせ"(不幸せ)などと揶揄された状態をなくし、かつてのような強い商都大阪を目指したい」と語ったことがあった。また太田房江元知事に非常に近い府の関係者は「大阪都構想の提唱は自民党議員のアドバイスがあったから」と私に打ち明けたことがあった。自民党を離脱して大阪維新の会の原型を作った数名の府議たちは、いずれも自民党の大阪府議会議員出身だ。このように考えると大阪都構想のルーツは自民党の中に潜在的に存在したのかもしれない。ただし、自民党の府議が私に打ち明けた大阪府と大阪市の合併も、太田元知事がぶちあげた大阪新都構想も大阪市を廃止して特別区を設置するとまでは語っていない。なので政令市廃止特別区設置構想は、いわゆる大阪都構想のオリジナルと言えるだろう。

 ところで橋下さんは「大阪都」という言葉を口に出したのはいつのことだったのか。いまでこそ橋下さんは大阪市を解体・再編して大阪府に統合しようと訴えてはいるが、それ以前は壊す対象は大阪市ではなかった。府知事時代には、むしろ大阪府の解体を口にしていたのである。


 2010年1月、ベトナムとシンガポールを公用で訪問した橋下知事(当時)は、同行した記者たちに「府市再編プラン」というアイデアを披露した。これが大阪府と大阪市をひとつの都市に再編するというアイデアで、大阪都構想の下敷きになるものだった。淡路島と同じくらいの面積しかないシンガポールという小国がアジアでも屈指の経済成長を遂げ、しかも驚異的な国際競争力を誇っている。この現実を目の当たりにした当時の橋下知事は、「大阪をシンガポールのような強い経済力を持つ都市にしたい。そのためには、府と市を一度ばらばらに解体し、大阪都に再編するしか道はない」という考えに至ったのだと想像する。橋下さんは日本に帰国してからの会見でも同様のプランを打ち出し、この日以降、関西のメディアでは「府市再編」「大阪都」という文字が連日のように躍ることになったのである。(続く)
(2015年2月10日掲載)


大阪都構想(Wikipedia)
 http://ja.wikipedia.org/wiki/大阪都構想
大阪都構想(Yahoo!ニュース検索)
 http://news.search.yahoo.co.jp/search?p=大阪都構想
大阪都構想 二重行政のムダをなくす。豊かな大阪をつくる。(大阪維新の会)
 http://oneosaka.jp/tokoso/

戻る このページのトップへ