今年は京都で
「中国残留邦人等への理解を深めるシンポジウム」
大谷 昭宏
戦後70年の今年、1945年終戦の年生まれの私は、当たり前の話、今年70歳である。私たちの国にとっても、私自身にとっても、節目の年となるこの年、私は本土の終戦の日より一足早く、6月、沖縄終戦の日近くに沖縄のメディアを取材した。
さらに8月15日の終戦の日を挟んで、旧満州での自らの体験を綴った「14歳〈フォーティーン〉満州開拓村からの帰還」を今年出版された澤地久枝さん、それに元朝日新聞記者、100歳のジャーナリストむのたけじさん、続いて歴史社会学者で、慶大教授の小熊英二さんらをインタビュー。私なりの戦後70年にふさわしい仕事ができたのではないかと思っている。
とはいえ、これで終わりというわけにはいかない。というより、私にとってのメインイベントはこれからなのだ。そう、「中国残留邦人等への理解を深めるシンポジウム」が今年は11月14日、京都で開催される。毎年、厚生労働省の主催で、今年はそこに京都府、府教委、京都市、市教委の後援が入る。
これまで、いつも素晴らしいお芝居を見せてくれる「劇団道化」(福岡県太宰府市)と私の事務所とのコラボで、毎年のように札幌、東京、横浜、大阪、広島、福岡と、このシンポジウムに参加させていだたいている。劇団道化のお芝居もさることながら、全国各地、所を変えながら、終戦時、あの荒野で辛酸をなめつくした邦人のために、いまなお心温まるこうしたシンポジウムを毎年開催されている厚労省に心底敬意を抱いている。
さらに、今年から厚労省は残留邦人への理解を、次世代を担う子どもたちにも深めてほしいとして、大勢の小中学生にもシンポジウムに参加してもらうことにしているという。それもまた、じつに意義のあることではないだろうか。
道化のお芝居のあとのシンポジウムでは、いつものように私がコーディネーターをさせていただく。ともに永住帰国した家族と幸せに暮らしてきた一世の婦人。帰国後、がんばってがんばって、仕事も家庭も充実させてきた二世の方々。さらには、そんな一世、二世の苦労を無駄にしないように、日本と中国の架け橋になりたいという三世の男性。そうした残留邦人の支援を続けている団体の代表の方。多彩な顔ぶれで、この問題への理解を深めていきたいと考えている。
11月半ば、錦繍の京都で大勢のみなさんとお目にかかりたい。聴講券が必要ですので、参加ご希望の方は、「
中国残留邦人等への理解を深めるシンポジウム
」HPにアクセスしてください
(2015年10月19日)
中国残留邦人等への理解を深めるシンポジウム
http://comm.stage.ac/zanryusympo2015/
中国残留邦人等への支援(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/senbotsusha/seido02/
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000098069.html
中国残留日本人(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/中国残留日本人